どっかで見たことある! すべてワンカットで撮影するアニメのオープニングっぽい動画に共感 エンタメ・バラエティ By - GLUGLU編集部 更新:2023-05-19 Share Post LINE はてな 架空のアニメのオープニングっぽい映像『ポイヤツ』を投稿しているYouTubeチャンネル『アニメOPっポイヤツ』。 パントマイム出身の出演者たち『ポイヤツら』が、アニメ『あるある』の詰まった本編と、そのメイキングを作成しています。 作品によって人数は変わるものの、『ポイヤツら』8名と、時にゲスト数名を加えた総勢8~15名で撮影しているとのこと。 どんな動画を撮っているのか、まずはこちらの作品をご覧ください! 出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら 動画を見て「あ~あるある!」「分かる!」と思ったのではないでしょうか。 ワンカット、編集なしで撮影している動画。それだけに、苦労もたくさんあるようです。 メイキング映像も投稿されているので、本編に映らないところにも注目です! 出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら 限られた人数で、いくつかの担当を兼任しながら撮影を進めていました。 特殊演出はすべて手作業。さらに衣装も手作りです。 GLUGLUは、どのように『あるある』を生かした動画を作っているのか、かきもとUさんに話を聞いてみました。 かきもとUさん 『アニメOPっポイヤツ』は監督である、私、かきもとUを中心にメンバーみんなで意見を出し合っています。 メンバー内で次に作るジャンルや、大まかなイメージを決めて、まず楽曲を探します。楽曲からシーンの着想を得て、かきもとが絵コンテを作成。また出演者を割り当てながらキャラクターデザインを作成します。 かきもとUさん そこから稽古でワンカットで撮影できるかテスト。実際にやってみたら絵コンテ通りにいかないこともあり、その都度メンバーで相談しながらシーンを固めていきます。 また同時並行で、衣装や小道具も制作。絵コンテ、キャラクターデザインのイメージをなるだけ再現できるようメンバー総動員で、小道具の機構を考え、衣装を探し、時には裁縫もします。 8~10時間ほどスタジオを押さえて、何度も繰り返しワンカット撮影をして作るという動画。 ワンカットにこだわらず、細かくカットをかければもっと楽に撮影できることでしょう。 それでもワンカットで撮影する理由とは…。 かきもとUさん 『ポイヤツら』はパントマイムがバックボーン。もともとは小劇場というジャンルの舞台をメインに活動しており、『アニメOPっポイヤツ』は、舞台上で撮影をして、それをその場で上映するというコンセプトで作った1演目でした。 客席から舞台を見るにあたっては、人物やモノをクローズアップすることができません。でも、カメラを使えば意図した画角で舞台上で起こる事象を観客に見せることができます。その面白さを求めたパフォーマンスが今動画として出している『アニメOPっポイヤツ』の源流になっています。 かきもとUさん ワンカットにこだわる理由も舞台から来ています。舞台では編集ができません。 その代わり、舞台上という1つの場所で、リアルタイムにさまざまなことが起こり続けることが舞台の醍醐味です。メイキングの動画は、「その面白さを映像でも活かしたい」という意図で作っています。 かきもとUさん また、ワンカットで撮ると、さまざまな制約が出てきます。本来なら編集でつなぎ合わせるところを、一連の動きの中でやらなければならないからです。 制約を解消しようとアナログな方法であれこれ工夫をします。その工夫の中でしか生まれない面白みがあって、そのアナログな工夫は、バックボーンであるパントマイムや舞台表現に通ずるところなのではと思っています。 ワンカットで撮る時の大変さは、「撮影中とにかく忙しいということにつきます(笑)」と話す『ポイヤツら』のかきもとUさん。 自分の担当以外にも、カメラに映らないようにしながら準備をするなど、常に動きを意識しておかないといけないようです。 かきもとUさん 自分の出番の時に適切なタイミング・位置・演技をし、出番以外の時はカメラに映ってしまわないようにうまく逃げています。 裏方を兼ねることもあるので、あるシーンに出演し、すぐ小道具を準備して、小道具を映して、その小道具を戻して、また別のシーンに出演する…。そんな感じで、てんやわんやです。 特に大変なのが、カメラマンだといいます。 「カメラが失敗してしまったら出演者がどんなにいい演技をしてもNG…。カメラマンの緊張と負担は、一番大きいですね(笑)」と語っていました。 また、YouTubeに作品を1つ投稿するまでには1か月ほどかかるといいます。 かきもとUさん 全体では、1か月~1か月半くらいの期間の中で、絵コンテ・キャラクターデザイン作り・衣装と小道具の作成・稽古・カメラ調整などを行っています。 1週間ほどかけて絵コンテ・キャラクターデザインを制作し、その後稽古を大体5~6日行います。その期間に並行して衣装・小道具を制作します。 かきもとUさん 撮り直し回数も作品によりますが、テイク25~35くらいが多いです。 公開しているメイキング動画では、OKテイクが何テイク目だったか動画内で分かるんですが、ファンの人からは「XXテイクも撮ってるんだ!」という驚きのコメントもいただいています。 出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら なぜアニメのオープニングを題材に、動画を作ろうと思ったのでしょうか。 それには、『アニメOPっポイヤツ』の源流であるパントマイムが関係していました。 かきもとUさん アニメのオープニングというモチーフを選んだのは、パントマイムの考え方と親和性があるためです。オープニングは、これから本編で起こることの説明・ダイジェストであると考えています。 例えば、登場人物の紹介・世界観の設定・作品ジャンルなど、それらの『情報』を観客へ提示するさまざまな工夫こそがアニメオープニングの醍醐味だと思っています。 かきもとUさん その情報の見せ方は、各アニメ作品のオリジナリティだけでは構成されているのではなくて、「どこかで見たことある」「あの作品と同じだ」という視聴者の共感から成り立っている部分があって、そこから本編への期待が高める役割がオープニングにはあるのだと思います。 かきもとUさん 私たちがバックボーンとしているパントマイムは見たことあることを身体を使って『再現』するパフォーマンスです。 例えば実際にはないロープを引っ張るマイムがありますが、それは観客がロープを引っ張っている様子を見たことがある、または知っているから成り立ちます。「あー、分かる」という事象を再現するパントマイムと「あるある」と共感させるアニメオープニングは親和性が高いのだと思います。 『アニメOPっポイヤツ』がYouTubeで本格的に活動し始めたのは、コロナ禍で舞台活動が制限されたことが大きな理由だったといいます。 2023年8月19~20日には舞台をやる予定で、パントマイム作品もYouTubeで上げるなど、公演への準備を進めているのだとか。 さらに、「舞台で『アニメOPっポイヤツ』を上演する構想もしている」と明かしました。 舞台で観る『アニメOPっポイヤツ』は、また違った面白みがあるでしょう。 『アニメOPっポイヤツ』には、さまざまな種類のアニメのオープニングっぽい動画が投稿されています。 もしかしたら幼少期によく見ていたアニメや、思い出深いアニメを彷彿させるかもしれません。メイキングと合わせてチェックしてみてくださいね。 [文・構成/GLUGLU編集部] チャンネル情報 アニメOPっポイヤツ チャンネル登録者数:9万8200人 再生回数: 5375万2974回 この記事をシェアする Share Post LINE
架空のアニメのオープニングっぽい映像『ポイヤツ』を投稿しているYouTubeチャンネル『アニメOPっポイヤツ』。
パントマイム出身の出演者たち『ポイヤツら』が、アニメ『あるある』の詰まった本編と、そのメイキングを作成しています。
作品によって人数は変わるものの、『ポイヤツら』8名と、時にゲスト数名を加えた総勢8~15名で撮影しているとのこと。
どんな動画を撮っているのか、まずはこちらの作品をご覧ください!
出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら
動画を見て「あ~あるある!」「分かる!」と思ったのではないでしょうか。
ワンカット、編集なしで撮影している動画。それだけに、苦労もたくさんあるようです。
メイキング映像も投稿されているので、本編に映らないところにも注目です!
出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら
限られた人数で、いくつかの担当を兼任しながら撮影を進めていました。
特殊演出はすべて手作業。さらに衣装も手作りです。
GLUGLUは、どのように『あるある』を生かした動画を作っているのか、かきもとUさんに話を聞いてみました。
『アニメOPっポイヤツ』は監督である、私、かきもとUを中心にメンバーみんなで意見を出し合っています。
メンバー内で次に作るジャンルや、大まかなイメージを決めて、まず楽曲を探します。楽曲からシーンの着想を得て、かきもとが絵コンテを作成。また出演者を割り当てながらキャラクターデザインを作成します。
そこから稽古でワンカットで撮影できるかテスト。実際にやってみたら絵コンテ通りにいかないこともあり、その都度メンバーで相談しながらシーンを固めていきます。
また同時並行で、衣装や小道具も制作。絵コンテ、キャラクターデザインのイメージをなるだけ再現できるようメンバー総動員で、小道具の機構を考え、衣装を探し、時には裁縫もします。
8~10時間ほどスタジオを押さえて、何度も繰り返しワンカット撮影をして作るという動画。
ワンカットにこだわらず、細かくカットをかければもっと楽に撮影できることでしょう。
それでもワンカットで撮影する理由とは…。
『ポイヤツら』はパントマイムがバックボーン。もともとは小劇場というジャンルの舞台をメインに活動しており、『アニメOPっポイヤツ』は、舞台上で撮影をして、それをその場で上映するというコンセプトで作った1演目でした。
客席から舞台を見るにあたっては、人物やモノをクローズアップすることができません。でも、カメラを使えば意図した画角で舞台上で起こる事象を観客に見せることができます。その面白さを求めたパフォーマンスが今動画として出している『アニメOPっポイヤツ』の源流になっています。
ワンカットにこだわる理由も舞台から来ています。舞台では編集ができません。 その代わり、舞台上という1つの場所で、リアルタイムにさまざまなことが起こり続けることが舞台の醍醐味です。メイキングの動画は、「その面白さを映像でも活かしたい」という意図で作っています。
また、ワンカットで撮ると、さまざまな制約が出てきます。本来なら編集でつなぎ合わせるところを、一連の動きの中でやらなければならないからです。
制約を解消しようとアナログな方法であれこれ工夫をします。その工夫の中でしか生まれない面白みがあって、そのアナログな工夫は、バックボーンであるパントマイムや舞台表現に通ずるところなのではと思っています。
ワンカットで撮る時の大変さは、「撮影中とにかく忙しいということにつきます(笑)」と話す『ポイヤツら』のかきもとUさん。
自分の担当以外にも、カメラに映らないようにしながら準備をするなど、常に動きを意識しておかないといけないようです。
自分の出番の時に適切なタイミング・位置・演技をし、出番以外の時はカメラに映ってしまわないようにうまく逃げています。
裏方を兼ねることもあるので、あるシーンに出演し、すぐ小道具を準備して、小道具を映して、その小道具を戻して、また別のシーンに出演する…。そんな感じで、てんやわんやです。
特に大変なのが、カメラマンだといいます。
「カメラが失敗してしまったら出演者がどんなにいい演技をしてもNG…。カメラマンの緊張と負担は、一番大きいですね(笑)」と語っていました。
また、YouTubeに作品を1つ投稿するまでには1か月ほどかかるといいます。
全体では、1か月~1か月半くらいの期間の中で、絵コンテ・キャラクターデザイン作り・衣装と小道具の作成・稽古・カメラ調整などを行っています。
1週間ほどかけて絵コンテ・キャラクターデザインを制作し、その後稽古を大体5~6日行います。その期間に並行して衣装・小道具を制作します。
撮り直し回数も作品によりますが、テイク25~35くらいが多いです。
公開しているメイキング動画では、OKテイクが何テイク目だったか動画内で分かるんですが、ファンの人からは「XXテイクも撮ってるんだ!」という驚きのコメントもいただいています。
出典:アニメOPっポイヤツ 動画はこちら
なぜアニメのオープニングを題材に、動画を作ろうと思ったのでしょうか。
それには、『アニメOPっポイヤツ』の源流であるパントマイムが関係していました。
アニメのオープニングというモチーフを選んだのは、パントマイムの考え方と親和性があるためです。オープニングは、これから本編で起こることの説明・ダイジェストであると考えています。
例えば、登場人物の紹介・世界観の設定・作品ジャンルなど、それらの『情報』を観客へ提示するさまざまな工夫こそがアニメオープニングの醍醐味だと思っています。
その情報の見せ方は、各アニメ作品のオリジナリティだけでは構成されているのではなくて、「どこかで見たことある」「あの作品と同じだ」という視聴者の共感から成り立っている部分があって、そこから本編への期待が高める役割がオープニングにはあるのだと思います。
私たちがバックボーンとしているパントマイムは見たことあることを身体を使って『再現』するパフォーマンスです。
例えば実際にはないロープを引っ張るマイムがありますが、それは観客がロープを引っ張っている様子を見たことがある、または知っているから成り立ちます。「あー、分かる」という事象を再現するパントマイムと「あるある」と共感させるアニメオープニングは親和性が高いのだと思います。
『アニメOPっポイヤツ』がYouTubeで本格的に活動し始めたのは、コロナ禍で舞台活動が制限されたことが大きな理由だったといいます。
2023年8月19~20日には舞台をやる予定で、パントマイム作品もYouTubeで上げるなど、公演への準備を進めているのだとか。
さらに、「舞台で『アニメOPっポイヤツ』を上演する構想もしている」と明かしました。
舞台で観る『アニメOPっポイヤツ』は、また違った面白みがあるでしょう。
『アニメOPっポイヤツ』には、さまざまな種類のアニメのオープニングっぽい動画が投稿されています。
もしかしたら幼少期によく見ていたアニメや、思い出深いアニメを彷彿させるかもしれません。メイキングと合わせてチェックしてみてくださいね。
[文・構成/GLUGLU編集部]