『教育系YouTuber』の葉一さん 動画で勉強を教えるワケを聞いてみた 学習 By - GLUGLU編集部 更新:2022-05-26 Share Post LINE はてな 2022年現在、多くの人の身近な存在である、動画投稿サイト『YouTube』。 一般人や企業など、どんな人でも投稿、視聴ができるとあって、利用している人は多いでしょう。 そんなYouTubeが近年、教育のツールとしても注目されていることをご存知ですか。 教育系YouTuber葉一が、動画授業を行う真意 同年5月11~13日、東京ビッグサイトにて開催された、教育分野における日本最大級の展示会『教育ITソリューションEXPO(EDIX)』。 そこで、講師として登壇し、特別講演を行ったのが、教育系YouTuberの第一線で活躍する、葉一(はいち)さんです。 講演を行う、教育系YouTuberの葉一(はいち)さん 葉一さんは、東京学芸大学教育学部に進学して教員免許を取得後、教材販売の営業、塾の講師などを経て、2012年6月からYouTubeで授業動画を配信。 葉一さんのYouTubeチャンネル『とある男が授業をしてみた』は、2022年5月現在、登録者数が174万人、総再生回数が5.5億回を超えるなど、生徒だけでなく、保護者や教育関係者から支持を得ています。 GLUGLUでは、教育系YouTuberの第一線で活躍する葉一さんに、インタビューを行いました! GLUGLU YouTubeで授業動画を公開する理由を教えてください。 葉一さん YouTubeは、数万人の子供たちに何か情報を届けたり、支えたりすることができる場所なんですよね。 教壇は、子供たちと顔を合わせて接することができるのが大きな魅力なんですけど、人数が限られてしまうので、今はこの場所でできることを追求したいなと。 葉一さん YouTubeでできることはまだまだあると思っているので、今はYouTubeという場所で子供たちにできることを模索していくのが、自分にとって大事なことだと思っています。 筆者の目を見ながら、丁寧に回答してくれました! 授業動画では、教科書に沿って、小学3~6年生の算数や中学校の基礎科目、高校の数学を教えている、葉一さん。 動画で授業を行う際、難しい言葉は極力使わないことを意識しているそうです。 葉一さん 子供は、難しい言葉を並べられると、「難しいことをいっているんだろうな」とは思うけど、理解はできない。 万が一難しい言葉を使っても、すぐに噛み砕いた表現にいい換えることを意識しています。 GLUGLU なるほど!それは大切ですね…。 葉一さん あとは…余計なことはしゃべらないことですかね。 葉一さん 私の授業動画は、教科書レベルの基礎学習がメインです。そのレベルの学習をする子たちは反復学習が大切なので、雑談などを繰り返し見る必要をなくすためにそうしています。 GLUGLU 難しい言葉を使わないのは、とても素敵だと思います! 子供たちからの声が届きにくいYouTubeの世界で、「難しい」と感じることはありますか。 葉一さん 子供たちの『?』が出た瞬間が分からないことですね。子供の中には、「分かった?」って聞いたら、分からなくても「うん」って答える子がいるんです。 その子の表情を見れば、理解できているかできていないかが分かってもう一度アプローチできるんですけど、動画だとそれができないので。 葉一さん とにかく疑問を残さないっていうのを徹底しないといけない。疑問も子供によって違うので、そこは難しいですよね。 できる限り多くの子供が疑問を残さないようにしたいとは考えています。 『恩師』との出会い 幼い頃、ある学校で先生に何度も容姿をいじられた経験から、教師という存在が大嫌いだったという、葉一さん。 そんな葉一さんの考え方を変え、影響を与えたという恩師の存在について、うかがいました。 GLUGLU 心に残った恩師の存在を教えてください。 葉一さん 高校時代の数学の先生が恩師ですね。教師が大嫌いだった僕が「この人なら信用できるな」って思えるように変えてくれた人です。 最初の自己紹介とかで、「お前らに好かれるつもりはない」っていった時は、「ハズレを引いたな」と思っていましたけど…(苦笑)。 葉一さん でも、授業がとにかく分かりやすかった。生徒が頼っても「忙しいから無理」って断ることは全然なくて、ちゃんとその場で解決してくださる人でした。 体育祭などのイベントの時にはふざけるっていうギャップもあって、だんだんと心の壁が壊されていった感じですね。 出典:とある男が授業をしてみた 動画はこちら GLUGLU 勉強の教え方も、恩師を意識されている? 葉一さん 説明の仕方とかは覚えていないんですけど、その先生、めちゃくちゃ黒板がきれいなんですよ。ものすごくきれいに字を書いてくれるので、板書にこだわるのはその先生の影響です。 葉一さんが動画で使用していた板書の例 教師に対する考え方を改めた葉一さんは、恩師の人柄に惹かれるだけでなく、先生の板書のきれいさに感銘を受けたといいます。 恩師の板書に影響された葉一さんは、定規で文字のサイズを測ったり、子供たちに親しみやすいフォントを意識したりと、動画に使う板書を丁寧に仕上げているのだそうです。 また、葉一さんの授業動画はそのほかにも、「血の通ったものを届けたいから、カットは一切入れない」「授業中はなるべく手元のみが映るようにする」など、さまざまなこだわりが散りばめられていました。 次のページ葉一さんがコロナ禍で変化させたもの 1 2 チャンネル情報 とある男が授業をしてみた チャンネル登録者数:208万人 再生回数: 7億8152万7147回 関連ワード インタビュー この記事をシェアする Share Post LINE
2022年現在、多くの人の身近な存在である、動画投稿サイト『YouTube』。
一般人や企業など、どんな人でも投稿、視聴ができるとあって、利用している人は多いでしょう。
そんなYouTubeが近年、教育のツールとしても注目されていることをご存知ですか。
教育系YouTuber葉一が、動画授業を行う真意
同年5月11~13日、東京ビッグサイトにて開催された、教育分野における日本最大級の展示会『教育ITソリューションEXPO(EDIX)』。
そこで、講師として登壇し、特別講演を行ったのが、教育系YouTuberの第一線で活躍する、葉一(はいち)さんです。
講演を行う、教育系YouTuberの葉一(はいち)さん
葉一さんは、東京学芸大学教育学部に進学して教員免許を取得後、教材販売の営業、塾の講師などを経て、2012年6月からYouTubeで授業動画を配信。
葉一さんのYouTubeチャンネル『とある男が授業をしてみた』は、2022年5月現在、登録者数が174万人、総再生回数が5.5億回を超えるなど、生徒だけでなく、保護者や教育関係者から支持を得ています。
GLUGLUでは、教育系YouTuberの第一線で活躍する葉一さんに、インタビューを行いました!
YouTubeで授業動画を公開する理由を教えてください。
YouTubeは、数万人の子供たちに何か情報を届けたり、支えたりすることができる場所なんですよね。
教壇は、子供たちと顔を合わせて接することができるのが大きな魅力なんですけど、人数が限られてしまうので、今はこの場所でできることを追求したいなと。
YouTubeでできることはまだまだあると思っているので、今はYouTubeという場所で子供たちにできることを模索していくのが、自分にとって大事なことだと思っています。
筆者の目を見ながら、丁寧に回答してくれました!
授業動画では、教科書に沿って、小学3~6年生の算数や中学校の基礎科目、高校の数学を教えている、葉一さん。
動画で授業を行う際、難しい言葉は極力使わないことを意識しているそうです。
子供は、難しい言葉を並べられると、「難しいことをいっているんだろうな」とは思うけど、理解はできない。
万が一難しい言葉を使っても、すぐに噛み砕いた表現にいい換えることを意識しています。
なるほど!それは大切ですね…。
あとは…余計なことはしゃべらないことですかね。
私の授業動画は、教科書レベルの基礎学習がメインです。そのレベルの学習をする子たちは反復学習が大切なので、雑談などを繰り返し見る必要をなくすためにそうしています。
難しい言葉を使わないのは、とても素敵だと思います!
子供たちからの声が届きにくいYouTubeの世界で、「難しい」と感じることはありますか。
子供たちの『?』が出た瞬間が分からないことですね。子供の中には、「分かった?」って聞いたら、分からなくても「うん」って答える子がいるんです。
その子の表情を見れば、理解できているかできていないかが分かってもう一度アプローチできるんですけど、動画だとそれができないので。
とにかく疑問を残さないっていうのを徹底しないといけない。疑問も子供によって違うので、そこは難しいですよね。
できる限り多くの子供が疑問を残さないようにしたいとは考えています。
『恩師』との出会い
幼い頃、ある学校で先生に何度も容姿をいじられた経験から、教師という存在が大嫌いだったという、葉一さん。
そんな葉一さんの考え方を変え、影響を与えたという恩師の存在について、うかがいました。
心に残った恩師の存在を教えてください。
高校時代の数学の先生が恩師ですね。教師が大嫌いだった僕が「この人なら信用できるな」って思えるように変えてくれた人です。
最初の自己紹介とかで、「お前らに好かれるつもりはない」っていった時は、「ハズレを引いたな」と思っていましたけど…(苦笑)。
でも、授業がとにかく分かりやすかった。生徒が頼っても「忙しいから無理」って断ることは全然なくて、ちゃんとその場で解決してくださる人でした。
体育祭などのイベントの時にはふざけるっていうギャップもあって、だんだんと心の壁が壊されていった感じですね。
出典:とある男が授業をしてみた 動画はこちら
勉強の教え方も、恩師を意識されている?
説明の仕方とかは覚えていないんですけど、その先生、めちゃくちゃ黒板がきれいなんですよ。ものすごくきれいに字を書いてくれるので、板書にこだわるのはその先生の影響です。
葉一さんが動画で使用していた板書の例
教師に対する考え方を改めた葉一さんは、恩師の人柄に惹かれるだけでなく、先生の板書のきれいさに感銘を受けたといいます。
恩師の板書に影響された葉一さんは、定規で文字のサイズを測ったり、子供たちに親しみやすいフォントを意識したりと、動画に使う板書を丁寧に仕上げているのだそうです。
また、葉一さんの授業動画はそのほかにも、「血の通ったものを届けたいから、カットは一切入れない」「授業中はなるべく手元のみが映るようにする」など、さまざまなこだわりが散りばめられていました。