編曲家の遊び心にクスッ! 『エリーゼとかのために』『全く言うことを聞いてくれない子犬のワルツ』

音楽 By - GLUGLU編集部 更新:

誰もが一度は耳にした名曲を、『もしも○○だったら…』というシリーズにして編曲している、フリーランスの作編曲家でヴァイオリニストの松﨑国生さん。

これまでに、NHK交響楽団や、東京フィルハーモニー交響楽団などに作曲・編曲作品を提供してきた、実力のある作編曲家です。

ベートーヴェン作曲の『エリーゼのために』は、音楽の授業で習ったことがある人もいるでしょう。

エリーゼの正体はさまざまな説がありますが、楽譜に『エリーゼのために、4月27日』と書かれていたため『エリーゼのために』というタイトルになったようです。

これを、松﨑さんは『エリーゼとかのために』に編曲。はじめは、聞き馴染みのあるメロディですが、次第に…。

正規のメロディラインからの寄り道が多い…!

聴いた人からは、「優柔不断さが出ている」「たまにエリーゼが帰ってくるんだよな」「表現力が豊かすぎる」といった称賛の声が続出。

原曲を知っている人からは「モヤモヤする」といった声がある一方、クラシックをあまり知らない人からは「なんかかっこいい」というコメントが上がっていました。

松﨑さんが編曲した作品は、人それぞれ違った楽しみ方ができるようです。

曲を聴くだけで笑える!?ピアノ練習曲で有名なアレも…

この『エリーゼとかのために』は、松﨑さんのお気に入りの曲の1つなのだとか。

松﨑さんは、ブルグミュラー『25の練習曲』より『貴婦人の乗馬』をアレンジした、『全く言うことを聞いてくれない馬』という曲もお気に入りだといいます。

ピアノを習っていた人なら、練習としてこの曲を弾いたことがあるかもしれません。

上品な女性が、見事に馬を乗りこなすようなイメージが湧く、この曲。しかし、松﨑さんが編曲した作品では、どうやら馬との連携が取れていないようです。

貴婦人から「おっとと…」「そっちじゃないよ!」「ちょっと行きすぎよ!」といった声が聞こえてきそうな『全く言うことを聞いてくれない馬』。

楽譜に馬のいななきが入ってきたり、音符が揺れたり、馬が暴れている様子が伝わってきます。

普段から編曲を仕事にしている松﨑さんは、このような面白いアレンジを、どういう時に思いつくのでしょうか。

松﨑国生さん

アイディアを思いつくタイミングはさまざまですが、仕事の合間や、少しリラックスしている時に、ふいにパッと思いつくことが多いです。

『全く言うことを聞いてくれない○○』シリーズでは、『子犬のワルツ』もアレンジされています。

2~3匹の生まれたての子犬が暴れまわっているようです…!

飼い主が追いかけても、素早くて、なかなかつかまらない時に似合う音楽ですね。

松﨑さんの場合、このような編曲は1日でできるのだそうです。

松﨑国生さん

あまり時間をかけないタイプなので、早ければ1日とかで仕上げます。

アイディアが新鮮なうちに、一気に仕上げてしまうように心がけています。

松﨑国生さん

ただ、最近はクオリティを上げるために、もう少し時間をとってみたり、俯瞰したり推敲したりして、いろいろな方法を試行錯誤しています。

ほとんどの作品の演奏は、コンピュータ演奏によるもので、楽譜作成ソフト『Sibelius』で『NOTE PERFORMER 3』という音源を使った曲が多いです。

YouTubeチャンネル『松﨑国生の作編曲』には、ほかにも編曲した動画が投稿されています。音楽を聴いてクスッと笑いたい時は、チャンネルをチェックしてみてくださいね。


[文・構成/GLUGLU編集部]

チャンネル情報

松﨑国生の作編曲

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  • チャンネル登録者数:6万6400人
  • 再生回数: 1233万2211回
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