YouTube ショートの担当者に取材! 収益化と効果的な使い方とは? 教養・ビジネス By - GLUGLU編集部 更新:2022-06-30 Share Post LINE はてな 60秒以下の短尺フォーマットである『YouTube ショート』。 スマートフォンと『YouTube アプリ』があれば、誰でも手軽に動画を制作できるのが魅力です。 ですが、「ショートって何ができるの?」「収益化できる?」と気になり、なかなか始められない人もいるでしょう。 そこで、YouTube ショート コミュニティパートナーマネージャーの永島杏紗さんから、YouTube ショートについて話を聞きました。 YouTube ショートは、誰でも簡単に動画投稿ができるフォーマット 2021年7月13日から、日本を含む世界100か国以上で利用できるようになったYouTube ショート。 グローバル展開から1年も経たないうちに、動画の再生数が1日に世界で300億回を突破、毎月15億人の月間ログインユーザーが視聴するまでに成長しました。 世界の先頭を走る短尺フォーマットは、どのような経緯で誕生したのでしょうか。 ――YouTube ショートが開発された経緯や背景は? YouTubeには『表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届ける』というミッションがあります。 クリエイターの「自由に自己表現をしたい」「収益を得たい」など、さまざまな目的とニーズに応える方法の1つとして、YouTube ショートというサービスを展開しました。 YouTube ショートは、すでに提供している長尺の動画や、ライブ、音楽配信に付け加えて、より手軽に動画投稿を楽しんでいただけるような、60秒以下の短尺フォーマットです。 YouTube ショート コミュニティパートナーマネージャー 永島杏紗さん ――YouTube ショートと長尺の動画の違いは? YouTube ショートは長尺の動画と比べて、3つの特長があります。 先にお話した『手軽さ』。あとは、『YouTube ショート特有の機能』『新規へのリーチ』ですね。 クリエイター目線になってみると、創造性を活かせる機能になっているのではないでしょうか。少し遊び心のある特長といえるかもしれません。 ――1つめの特長、手軽さとは? YouTube アプリの『YouTube ショートカメラ』を使うと、モバイルで動画制作を完結できることです。 特別な機材を準備する必要はありません。タップやフリックといった感覚的な操作で、撮影、編集、動画投稿ができ、手のひらの中でYouTube ショートを作れます。 外にいても家にいても、モバイルがあればそこがスタジオになるでしょう。 ――2つめの特長、特有の機能とは? YouTube ショートには、『音声をサンプリング』『グリーンスクリーン』『切り抜き』という機能があります。 音声をサンプリングすると、例えば、公式ミュージックビデオで流れている音楽の一部を15秒まで、自分のショート動画の中に組み込むことも難しくありません。 グリーンスクリーンを使えば背景を変更できます。 切り抜きは、ほかのクリエイターの動画の一部を5秒まで切り取り、自分の動画に組み合わせることで、クリエイティビティをさらに引き上げていけると考えています。 これらに限らず、モバイルで動画を楽しんでいただけるような機能を、今後も展開していきます。 ――3つめの特長、新規へのリーチとは? YouTube ショートの場合は長尺の動画のように、『視聴者が能動的に動画を探す』という流れとは少し異なります。 YouTubeのショートフィードに、自動的に表示されるのが主な視聴経路。『いつ・どこで・誰が見てくれるのか分からない』という意味でも、新規へのリーチに高いポテンシャルがあるでしょう。 実際に日本のクリエイターの中には、YouTube ショートを活用することで、国内はもちろんのこと、海外からの視聴も伸ばしたチャンネルは多いです。また、長尺の動画よりも、若い世代にリーチできたという実績もあります。 視聴者が新しいトレンド、ジャンル、クリエイターを、好きなタイミングで受動的に発見できるYouTube ショートだからこそだと考えています。 YouTube ショートはクリエイターに収益の機会を増やしている YouTubeというプラットフォームを使えば、長尺の動画で収益化できるのはみなが知るところ。では、YouTube ショートも同じように、収益化できるのでしょうか。 YouTube ショートで追加する予定の収益方法についても、話しを聞きました。 ――YouTube ショートで収益化はできる? 収益化はできます。YouTube ショートの開始直後から、『YouTube ショート ファンド』という、ショート動画で収益化をする仕組みを導入していました。 2021~2022年にかけて、YouTube ショート ファンドで1億ドル、日本円では、今の換算レートで計算すると、およそ135億円をクリエイターに提供することを発表しています。 クリエイターが受け取れる金額は、毎月100ドルから1万ドルの範囲※1。動画の視聴回数、エンゲージなどのパフォーマンスに基づき、分配額が決まります。 ※1 YouTube ショート ファンドより 2022年4月11日からさらに多くのクリエイターに報酬金を提供できるよう、テストを実施しています。以前は報奨金の対象外であったクリエイターが、100ドル未満の報奨金を受け取れる可能性があります。また、1万ドル以上の報奨金を受け取れる場合もあります。 ――収益化の対象は? 毎月数千人のクリエイターに対して、各チャンネルの前月のパフォーマンスに基づき、YouTube ショート ファンドの通知を送っています。 パフォーマンスの基準はありませんが、ショート動画は毎月審査されるので、ある月は対象にならなくても、その次の月には対象になる場合もあります。 2021年にYouTube ショート ファンドで収益を得たクリエイターの約40%が、 『YouTube パートナー プログラム』という、広告収益プログラムに参加していないクリエイターでした。 YouTube ショート ファンドの提供を開始したことで、より多くのクリエイターに収益の機会を広げることができたのは大きな変化でしょう。 ――YouTube ショート ファンド以外で収益を上げるには? 応援や気持ちをクリエイターに伝えられる、特別なコメントの『スーパーチャット』(通称『スパチャ』)をYouTube ショートに導入する予定でいます。 YouTube ショートは長尺の動画よりも、言葉の壁を越えていける可能性を秘めている さまざまな特長のあるYouTube ショートですが、クリエイターはどのような使い方をしているのか気になりますよね。 効果的な活用方法や、これからのYouTube ショートについて、話しを聞きました。 ――YouTube ショートの効果的な使い方は? 最近だと、非言語で料理動画を投稿しているクリエイターがいるのですが、料理というのは『世界共通の言葉』ですよね。こうしたショート動画は、国内だけでなく海外の視聴者にも人気があります。 ほかには、堅苦しい印象のある長尺のニュース動画へのクッションとして、ニュースのダイジェストをショート動画で制作。長尺のニュース動画に視聴をうながすケースもあります。 60秒以下の短尺フォーマットをどのように取り入れていくのかが、コンテンツ制作のポイントでしょう。 視聴者のYouTube ショートへの最初の入口は、ショートフィードで気になった『面白い企画』からかもしれません。 ですが、最終的に重要になってくるのは、パーソナリティです。「その人のショートだから」「その人が喋ったから」のような部分に、つながっていくと思います。 ――意外だったYouTube ショートの活用方法は? YouTube ショートから、長尺の動画への導線をしっかり設定したクリエイターの戦略は、意外性があったかもしれません。 コメント欄に長尺の動画へのURLを貼ったり、ショート動画の最後に「もっと詳細を見たい人はコメント欄を見てね」と伝えたり、視聴者に次の行動をうながす使い方をしていました。 YouTube ショートは独立した製品ですが、YouTube全体として見た時は機能の1つ。「ショート動画もあってこそのYouTubeだよね」ということで、フォーマットを活用したのかなと思います。 YouTubeをうまく活かした事例なのではないでしょうか。 ――これからYouTube ショートはどうなっていく? 「長尺の動画を出すのはちょっと…」という人でも、簡単に動画を投稿できるのがYouTube ショートです。 友達の輪からでも、自分が好きなことを軸に、コミュニティを広げることができるでしょう。さらにそこから世界に出ていくきっかけが生まれることもあるかもしれません。 その中でYouTube ショートも、さまざまなクリエイターのアイディアが存在し、いろいろな視聴者の興味関心に対応できるような存在に、もっとなっていくといいなと、個人的には思っています。 2021年12月から『 YouTube ショート クリエイター コミュニティ』の運営が日本でスタートし、ショートの最新トレンドや事例共有、クリエイター間での交流を深める場を提供しています。対象チャンネルには、YouTubeから招待メールをお送りしているので、ぜひチェックしてみてください。 エンターテインメント要素の強かったYouTubeですが、昨今は教育、音楽、ニュースなど、多種多様なコンテンツがプラットフォーム上に存在するようになりました。 そして今、YouTube ショートでもこうしたさまざまなコンテンツがあり、ジャンルの広がりがでてきています。 YouTube ショートを活用してコミュニティの輪を広げよう! YouTube ショートはYouTube アプリを使うことで、誰でも簡単に動画の撮影、編集、投稿ができるフォーマットです。長尺の動画と比べ、ハードルが低いといえるでしょう。 これまで動画投稿に興味はあったけれど、「撮影用の機材がないから」「編集に自信がないから」と、諦めてしまっていた人でも、YouTube ショートなら大丈夫。 すでにYouTube ショートを投稿している人なら、パーソナリティや新しい収益方法を意識した展開をしてもよいかもしれません。 YouTube ショートで、「好き」を共有できるコミュニティをさらに広げてみてください。 [文・構成/GLUGLU編集部] 出典 YouTube ヘルプ 関連ワード for YouTube クリエイターYouTubeハウツーYouTube特集 この記事をシェアする Share Post LINE
60秒以下の短尺フォーマットである『YouTube ショート』。
スマートフォンと『YouTube アプリ』があれば、誰でも手軽に動画を制作できるのが魅力です。
ですが、「ショートって何ができるの?」「収益化できる?」と気になり、なかなか始められない人もいるでしょう。
そこで、YouTube ショート コミュニティパートナーマネージャーの永島杏紗さんから、YouTube ショートについて話を聞きました。
YouTube ショートは、誰でも簡単に動画投稿ができるフォーマット
2021年7月13日から、日本を含む世界100か国以上で利用できるようになったYouTube ショート。
グローバル展開から1年も経たないうちに、動画の再生数が1日に世界で300億回を突破、毎月15億人の月間ログインユーザーが視聴するまでに成長しました。
世界の先頭を走る短尺フォーマットは、どのような経緯で誕生したのでしょうか。
――YouTube ショートが開発された経緯や背景は?
YouTubeには『表現する場所をあらゆる人に提供し、その声を世界中に届ける』というミッションがあります。
クリエイターの「自由に自己表現をしたい」「収益を得たい」など、さまざまな目的とニーズに応える方法の1つとして、YouTube ショートというサービスを展開しました。
YouTube ショートは、すでに提供している長尺の動画や、ライブ、音楽配信に付け加えて、より手軽に動画投稿を楽しんでいただけるような、60秒以下の短尺フォーマットです。
YouTube ショート コミュニティパートナーマネージャー 永島杏紗さん
――YouTube ショートと長尺の動画の違いは?
YouTube ショートは長尺の動画と比べて、3つの特長があります。
先にお話した『手軽さ』。あとは、『YouTube ショート特有の機能』『新規へのリーチ』ですね。
クリエイター目線になってみると、創造性を活かせる機能になっているのではないでしょうか。少し遊び心のある特長といえるかもしれません。
――1つめの特長、手軽さとは?
YouTube アプリの『YouTube ショートカメラ』を使うと、モバイルで動画制作を完結できることです。
特別な機材を準備する必要はありません。タップやフリックといった感覚的な操作で、撮影、編集、動画投稿ができ、手のひらの中でYouTube ショートを作れます。
外にいても家にいても、モバイルがあればそこがスタジオになるでしょう。
――2つめの特長、特有の機能とは?
YouTube ショートには、『音声をサンプリング』『グリーンスクリーン』『切り抜き』という機能があります。
音声をサンプリングすると、例えば、公式ミュージックビデオで流れている音楽の一部を15秒まで、自分のショート動画の中に組み込むことも難しくありません。
グリーンスクリーンを使えば背景を変更できます。
切り抜きは、ほかのクリエイターの動画の一部を5秒まで切り取り、自分の動画に組み合わせることで、クリエイティビティをさらに引き上げていけると考えています。
これらに限らず、モバイルで動画を楽しんでいただけるような機能を、今後も展開していきます。
――3つめの特長、新規へのリーチとは?
YouTube ショートの場合は長尺の動画のように、『視聴者が能動的に動画を探す』という流れとは少し異なります。
YouTubeのショートフィードに、自動的に表示されるのが主な視聴経路。『いつ・どこで・誰が見てくれるのか分からない』という意味でも、新規へのリーチに高いポテンシャルがあるでしょう。
実際に日本のクリエイターの中には、YouTube ショートを活用することで、国内はもちろんのこと、海外からの視聴も伸ばしたチャンネルは多いです。また、長尺の動画よりも、若い世代にリーチできたという実績もあります。
視聴者が新しいトレンド、ジャンル、クリエイターを、好きなタイミングで受動的に発見できるYouTube ショートだからこそだと考えています。
YouTube ショートはクリエイターに収益の機会を増やしている
YouTubeというプラットフォームを使えば、長尺の動画で収益化できるのはみなが知るところ。では、YouTube ショートも同じように、収益化できるのでしょうか。
YouTube ショートで追加する予定の収益方法についても、話しを聞きました。
――YouTube ショートで収益化はできる?
収益化はできます。YouTube ショートの開始直後から、『YouTube ショート ファンド』という、ショート動画で収益化をする仕組みを導入していました。
2021~2022年にかけて、YouTube ショート ファンドで1億ドル、日本円では、今の換算レートで計算すると、およそ135億円をクリエイターに提供することを発表しています。
クリエイターが受け取れる金額は、毎月100ドルから1万ドルの範囲※1。動画の視聴回数、エンゲージなどのパフォーマンスに基づき、分配額が決まります。
※1 YouTube ショート ファンドより
2022年4月11日からさらに多くのクリエイターに報酬金を提供できるよう、テストを実施しています。以前は報奨金の対象外であったクリエイターが、100ドル未満の報奨金を受け取れる可能性があります。また、1万ドル以上の報奨金を受け取れる場合もあります。
――収益化の対象は?
毎月数千人のクリエイターに対して、各チャンネルの前月のパフォーマンスに基づき、YouTube ショート ファンドの通知を送っています。
パフォーマンスの基準はありませんが、ショート動画は毎月審査されるので、ある月は対象にならなくても、その次の月には対象になる場合もあります。
2021年にYouTube ショート ファンドで収益を得たクリエイターの約40%が、 『YouTube パートナー プログラム』という、広告収益プログラムに参加していないクリエイターでした。
YouTube ショート ファンドの提供を開始したことで、より多くのクリエイターに収益の機会を広げることができたのは大きな変化でしょう。
――YouTube ショート ファンド以外で収益を上げるには?
応援や気持ちをクリエイターに伝えられる、特別なコメントの『スーパーチャット』(通称『スパチャ』)をYouTube ショートに導入する予定でいます。
YouTube ショートは長尺の動画よりも、言葉の壁を越えていける可能性を秘めている
さまざまな特長のあるYouTube ショートですが、クリエイターはどのような使い方をしているのか気になりますよね。
効果的な活用方法や、これからのYouTube ショートについて、話しを聞きました。
――YouTube ショートの効果的な使い方は?
最近だと、非言語で料理動画を投稿しているクリエイターがいるのですが、料理というのは『世界共通の言葉』ですよね。こうしたショート動画は、国内だけでなく海外の視聴者にも人気があります。
ほかには、堅苦しい印象のある長尺のニュース動画へのクッションとして、ニュースのダイジェストをショート動画で制作。長尺のニュース動画に視聴をうながすケースもあります。
60秒以下の短尺フォーマットをどのように取り入れていくのかが、コンテンツ制作のポイントでしょう。
視聴者のYouTube ショートへの最初の入口は、ショートフィードで気になった『面白い企画』からかもしれません。
ですが、最終的に重要になってくるのは、パーソナリティです。「その人のショートだから」「その人が喋ったから」のような部分に、つながっていくと思います。
――意外だったYouTube ショートの活用方法は?
YouTube ショートから、長尺の動画への導線をしっかり設定したクリエイターの戦略は、意外性があったかもしれません。
コメント欄に長尺の動画へのURLを貼ったり、ショート動画の最後に「もっと詳細を見たい人はコメント欄を見てね」と伝えたり、視聴者に次の行動をうながす使い方をしていました。
YouTube ショートは独立した製品ですが、YouTube全体として見た時は機能の1つ。「ショート動画もあってこそのYouTubeだよね」ということで、フォーマットを活用したのかなと思います。
YouTubeをうまく活かした事例なのではないでしょうか。
――これからYouTube ショートはどうなっていく?
「長尺の動画を出すのはちょっと…」という人でも、簡単に動画を投稿できるのがYouTube ショートです。
友達の輪からでも、自分が好きなことを軸に、コミュニティを広げることができるでしょう。さらにそこから世界に出ていくきっかけが生まれることもあるかもしれません。
その中でYouTube ショートも、さまざまなクリエイターのアイディアが存在し、いろいろな視聴者の興味関心に対応できるような存在に、もっとなっていくといいなと、個人的には思っています。
2021年12月から『 YouTube ショート クリエイター コミュニティ』の運営が日本でスタートし、ショートの最新トレンドや事例共有、クリエイター間での交流を深める場を提供しています。対象チャンネルには、YouTubeから招待メールをお送りしているので、ぜひチェックしてみてください。
エンターテインメント要素の強かったYouTubeですが、昨今は教育、音楽、ニュースなど、多種多様なコンテンツがプラットフォーム上に存在するようになりました。
そして今、YouTube ショートでもこうしたさまざまなコンテンツがあり、ジャンルの広がりがでてきています。
YouTube ショートを活用してコミュニティの輪を広げよう!
YouTube ショートはYouTube アプリを使うことで、誰でも簡単に動画の撮影、編集、投稿ができるフォーマットです。長尺の動画と比べ、ハードルが低いといえるでしょう。
これまで動画投稿に興味はあったけれど、「撮影用の機材がないから」「編集に自信がないから」と、諦めてしまっていた人でも、YouTube ショートなら大丈夫。
すでにYouTube ショートを投稿している人なら、パーソナリティや新しい収益方法を意識した展開をしてもよいかもしれません。
YouTube ショートで、「好き」を共有できるコミュニティをさらに広げてみてください。
[文・構成/GLUGLU編集部]