『やりたいこと』と『数字』が釣り合わず… 教育系YouTuber・市岡元気先生にとってYouTubeとは

学習 By - GLUGLU編集部 更新:

元気先生の『やりたいこと』と『数字』が釣り合わず…

幅広い年齢の視聴者がいるYouTubeチャンネル『GENKI LABO』。

「たくさんの人に科学を好きになってもらいたい」という元気先生は、科学が好きじゃない人でも、見たくなるような動画のタイトル、サムネイル、分かりやすい説明を心がけているといいます。

人気YouTuberともコラボをし、着々とチャンネル登録者数を伸ばしている元気先生ですが、苦労したことを聞くと「毎回そうです」という答えが返ってきました。

元気先生

どのクリエイターもそうだと思うんですけど、ちょっとでも数字が落ちてくると気になってしまって…。

再生回数、チャンネル登録者数、高評価数、低評価数とYouTubeにはさまざまな目に見える数字があります。

視聴者の指標が直接反映されるため、数字には敏感になってしまうのでしょう。

元気先生

マスク関連の動画を出すと、一気に数字が伸びました。以前までは、アニメの技や武器の再現などをやっていたので、「またアニメの実験をやりたい」と思っても、動画を公開すると今までにないくらい落ちてしまって…。

今の視聴者層に合わせて、緩くやってかないといけないなっていうのはありますね。

コロナ禍に公開されたマスクの実験動画は、2023年2月現在、160万回再生を超える大ヒット。

布マスクの効果を調べたり、比較をしたりと多くの関連動画を投稿してきました。

しかし、マスク関連の動画がヒットする一方で、本来投稿したい動画を公開すると数字が落ちてしまうようになったといいます。

ほかにも、『やりたいこと』と『視聴者の興味』が釣り合わないところがあるようです。

元気先生

僕的には地学、物理、化学、生物、全範囲をやりたいんですけど、やっぱり化学のほうが興味ある人が多くて。

星の動画やロボットの動画は伸びなくて…。視聴者さんの動向を見ながら、動画を出していかなければならないっていう壁は常に感じてますね。

同チャンネルには、実験の失敗も隠さずに投稿しています。実験が失敗して、動画公開までに何日もかかるものが大半だという元気先生。

失敗から何を学ぶか、何が原因かを突き止める考え方は、動画を見ている子どもにも大切なことでしょう。

動画を投稿するのも、一筋縄ではいかないことが多いそうです。

元気先生

ほかの人がやっていたり、本に書いてあったりすることでも、やってみると全然違うことだらけ。静電気の実験も、1時間くらいで撮り終える予定だったんですけど、2~3日かかりました。

静電気の実験では、すでにあるデータを元にしても、想像とは違う結果だったといいます。

実験動画だからこその難しさもあるでしょう。しかし、それがまた科学の面白さでもあるのかもしれません。

市岡元気先生がYouTubeを続ける理由

GLUGLU編集部

YouTubeをやっていて楽しかったことや、嬉しかったことはありますか。

元気先生

やりたかったことが順番に夢が叶っていることですね。 1つは、『Dr.STONE』っていう科学漫画なんですけど、それが好きで、最初漫画内で紹介されていた『石からガラスを作る』っていうのをやってたんですよ。

元気先生

『Dr.STONE』の作者さんも動画を知ってくれて、僕に実験依頼してくれたんです。本の中の実験の監修をしたりとか、単行本にうちのラボの写真を載せてもらったり、そういうつながりがあったのは、すごく嬉しかったですね。

好きなアニメキャラクターのYouTubeチャンネルとのコラボをはじめ、好きなものと関わる仕事ができることや、高校時代に目指していたことを動画で叶えるなど、YouTubeには多くの夢が詰まっているようです。

テレビ収録の仕事が入ると、2か月先の分の動画までストックをしておくこともあるという、元気先生。

YouTubeを続けることは決して簡単なことではありません。それでもYouTubeを更新し続ける理由を聞きました。

元気先生

どんどん新しいことができるからです。

YouTubeをやらずにいたら、誰も見てくれないですし、「やりたい」って発信すると共感してくれる仲間とかが集まって…。

元気先生

例えば「ロケットをいつかYouTubeで飛ばしたい」という話をしたら、ロケットの会社から「一緒に作りませんか」と声がかかることもありました。

元気先生は「自分自身の興味関心が薄れずに、新しいことができるのが楽しい」と語ります。

そして、まだこれから叶えたい夢が2つあるそうです。

元気先生

1つは、ロケットを作って、宇宙に飛ばしたい。 もう1つは、サウナを作りたいと思っています。

元気先生

ほかのYouTuberを見ていて、YouTubeを続けていくためには、メンタルが一番大切と思うので、まずは自分用にサウナを作りたいです。

元気先生は、新たにサウナに特化したYouTubeチャンネル『GENKI SAUNA LABO』を開設。

日本サウナ学会代表理事の、加藤容崇さんと一緒に医学と科学の両面からサウナについて発信しています。

元気先生には、ほかにも夢があるようで…。

元気先生

あとは、もっと小さい頃から科学好きになってもらえる人を増やしたくて、教科書を作りたいです。

科学に興味持って「面白いな」と思ってもらうためには、教科書とか勉強から変えていかないとならないなと考えています。

YouTubeを通して夢を追う元気先生。最後に、このような質問をしました。

GLUGLU編集部

元気先生にとってYouTubeとは何ですか?

元気先生

YouTubeは、呼吸するような日常ですかね。常にそばにあって、必要不可欠なもの。

元気先生は、よく小学生から「YouTuberになるためには、どうしたらいいですか」と聞かれることがあるといいます。

それに対し「何も気にせず続けられる人じゃないと、YouTuberにはなれないと思う」と返すそうです。

編集や企画提案も苦ではなく、それが生活に受け入れられるような人が、YouTuberに向いていると考えていました。

それぞれのYouTubeチャンネルにクリエイターの想いや、夢、苦悩が詰まっています。

『GENKI LABO』は、元気先生の夢が詰まるチャンネルであり、子どもたちに夢を与えてくれるチャンネルでもあるでしょう。


[文・構成/GLUGLU編集部]

チャンネル情報

GENKI LABO

GENKI LABO

  • チャンネル登録者数:104万人
  • 再生回数: 10億4300万7980回
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